2007/10/26

トヨタの看板方式

ご存知ですよね、看板方式?先月から多分来月後半まで、友人に頼まれて会社再建の手伝いをしています。会社といってもいうなれば町工場でトヨタの孫受け。年商5億円程度の企業ですので、まぁややこしいことは唯一つ。

ご想像通り身内の扱いです。兄弟姉妹が親父の作った会社を受け継いで粉骨砕身、悪戦苦闘しているのであります。親父が創業した当時は日本経済が右肩上がりで、基本的にこつこつやってればそれなりの評価ができ、結果もついてきたので現経営陣もかなり良い生活をしながら、後を継いで今日に至る、そんな状況だったのですが・・・・。

環境が変化してただこつこつとまじめにやっているだけでは難しくなり始めたのは、おそらく15から20年前ほどでしょうかね。親父さんの人生最終ステージと重なった時期といえるでしょう。この時期にはまだまだ右肩あがりの感覚が抜けず、いうなればバブルの真っ最中で、今に至る状況を読める人はほとんどいなかったと思います。

ただアメリカでは貯蓄銀行の破綻などあって、その予兆を感じ取った鋭い経営者も居たかもしれませんが、まぁ孫受けクラス、それも人生かけてやってきた会社がほぼ頂点に達していればそんな心配もどこ吹く風で家族中が気分よい毎日を過ごしていたものと思われます。

トヨタ自体はこの時期に今日にための積極策と、将来を見据えた投資を着実に実行していたんでしょうね、その後のの10年で圧倒的な強さを持つ企業に成長、というのもなんですが、してきたのであります。

愛知県内でのその経済的影響力は無類であります。当然ですよね。そして昨年の利益が1兆円!すごいの一言です。そもそも1兆円の売上規模を持つ業界がどのくらいあるのか?
たとえば僕が長年お世話になった事務用品の業界規模がスチール家具も含めてようやく1兆円を超える程度じゃないですか?

業界の売上というのは、その業界に属する企業の全出荷額の合計であります。それがようやくトヨタ1社の利益とほぼ同じ、そういうことです。

話を元に戻して、友人のやっている孫受け企業はこの間どうなったかというと、コストカット要請の嵐が吹きまくり、看板に応ずるために操業時間の調整を要請され、支払いは手形で割引金利を取られ・・・・と、まぁ踏んだり蹴ったりの状況に追い込まれてきたのであります。

ここでまず問題は果たしてトヨタは1兆円も利益を出す必要があるのか?これであります。
長年生きてくれば利益が出たら税金を払う。これが身に付きます。トヨタも例外ではありません。1兆円の利益が出れば5000億円が国と地方自治体に入るわけであります。

公務員はうれしいやねぇ!この金額は回りまわって自分たちが頭、ここが大切です、頭で考えたいろんなことを実行できる可能性が生じるわけです。

一方、利益の源泉になる下請け、孫受けはどうか?こりゃーもう悲惨の一言。海外進出も積極的にとなれば、仕事自体が減ってくる。だから親父の暖簾を守ろうとしたら値段を下げてでも受注確保に走らねばならん。そこへコストダウン要請と看板対応を求められるのでありますから、そりゃぁーもうてんてこ舞いもいいところであります。

看板自体悪いことではありませんが、まぁ今年春先からこの友人のところでシステムを見ていると、孫受けクラスには実に不都合なものになっております。すなわちシステムの範囲としてどう考えても間接人員を確保できる一次下請け、トヨタの場合このクラスだと多くの大企業があるのですが、を想定しているとしか考えられないのです。

で何がおきるかというと事務工数の遅れをカバーしきれない=残業がやたら増える、ことになります。システムならそれを導入せぇーよ!というほうは気楽なんです。その費用たるやもう年間の利益を食っちまうほど。

結局友人のところも号口=量産部品製造がコスト割れになる、だが資金繰り上はこのコスト割れの仕事を続けないと成立不可。結果継続する。次にくるのが結局資金繰り難。社長が闇金に手を出す、返せない、材料が買えない、などなどの障害が発生して結局経営者は泣き出してしまうのであります。

こうした事実を一挙に解決する方法があるんです。それはトヨタが金をばら撒くことです。一次下請けを除いて各社1億円ずつ配ってごらんなさい。愛知県での経済効果たるや莫大なものになるはずです。

税金として納付してごらんなさい。一部は役所に人件費になることは確かですが、そんなもの回りまわっての話でそもそもありがたみがない。でしょ?役人の考えることは小規模企業救済のために金融機関を設立して、資金を供給しよう、そんなとこです。

金融機関は山ほどある。たしかに都市銀行は整理統合されて表面上銀行数は少なくなりましたが、そりゃーああなた中へ入れば旧○○系という称号が今後20年残って効率的な運営なんてできるわけがない。地方銀行はほぼそのまま、信用金庫、信用組合にいたっては数の減少なんてたかが知れてます。そのうえ、自分の天くだり先をつくって何やんのよ!!

もう、ここへくるとまたまた腹がたってきて、もう・・・・・

2007/10/05

創業するって大変!

今日Iさんとお話しする機会をもらいました。
先日アジェルのミーティングに出席した際、無理にお願いして時間をつくっていただいたんです。というのは、ぼくも人生押し詰まって、さらに3年ほどこつこつと今までのやり方を考え考えやってきて、限界を感じ始めたからなんです。


創業とはこれほどに難しいものなのか。それをつくずく感じてしまったからなんです。金があるわけでもない。アイディアがあるわけでもない、プログラムを開発できるわけでもない。ただ人生をこれまでなんとか生きてきた経験と、わずかばかりのマネージメント力、それに雑多な知識。これだけでは創業はどうも無理らしい、そう悟ったというか、悟らされたところなのであります。


となると、まるで古くなった靴を捨てるがごとくに親父の創業した会社をおん出て、本当にもったいないことをした。老害といわれようがなんといわれようがただただ職にしがみついた巨人軍オーナー渡辺氏のように、しつこく馬鹿にされようがなにされようが職にしがみついているべきであった、こんな反省すら沸いてくるほどの気分に陥ってしまいました。


これを称して一般には欝である、と定義されるところでありますが、そこは元気で典型的B型人間と自負する僕としては、いろいろ考えたのであります。


60歳過ぎて資金を集め、事業を構築する、みたいな気持ちも多少はあるものの、生来怠け者の僕としてはそこに横たわる数々のストレスに耐えられるのか、という疑問の方がずっと大きいと素直に認めちまいましょう。一人食べることぐらいなんとかならぁと気楽にスピンアウトしたけど、創業というものは生半可な覚悟で望むべきことではない、とつくづく感じ入ったしだいであります。


したがって、僕本来のノウハウを生かせる製造業はあきらめねばならぬ。ビジネスのカテゴリーとして事務用品の知識は豊富にあります。ただ困ったことに10年前の流通を含めた業界環境は大きく変化していて、もちろん現役当時お世話になった方々が活躍している部分も無きにしもあらずですが、資金のない僕を仲間に入れてくれるほどゆるい環境ではないわけです。


となると、いままでの人生で積み上げてきた経験を生かせるエリアはないんですねぇ。
あなたが今話題の団塊の世代であるなら、同じようなポジションにおられる可能性が非常に大きいのです。ただ、それを認識しがたいがために、かつて所属の会社で作った人脈なり、交際環境を生かして、俺も創業者になる、みたいに力みかえっている可能性を僕は言っています。


世の中それほど甘くはない!120%保障しましょう。それじゃぁどうするの?よろしい、大いによろしい。その素直さがこれからの役に立つんです。今持ってるお金はきっちり金庫に入れて触らないでいただきたい。あるいは奥さんに預けて管理してもらいましょう。

まぁときたま交通費をお願いするくらいのことは結構ですが、会社時代の付き合いを維持するために交際費をお願いすることはやめましょう。


あなたの趣味に生き、その人脈を大切にする、これはオッケーであります。それ以外の単なる飲み友達とはさよならです。誰でも生まれるときは一人、死ぬときも一人です。よぉーく覚悟をしみこませていただきたい。とはいうものの、こんなこと頭で理解はしても実際の言動にこの覚悟が出るまでには早くて半年、ぼくなんか2年半かかってます。まぁゆっくり急いで行こうじゃありませんか。(続く)