2006/08/01

マーケティング策戦: ピッツァ配達ボートのはなし
Dan Kennedyからの手紙

前回の「成功したマーケティング策戦」メールには成功する人たちには共通する内容があることに気づいてくれたと思う。その第一は革新性である。私の大好きなビジネス革新の例はドミノピザのトム・モナハンである。実際私のサクセス・サポート講座では10年以上彼の話をし続けている。

トムは大変に革新的で創造性のある男で、彼の革新的な態度は生活のすべてにわたっている。私の大好きな話でそれをお伝えしたい。もちろんドミノ・ストーリーである。


ドミノピザのフランチャイジーになったある人がリゾートにある湖の近くに店を出した。彼の第一の問題は商圏地区の居住者は一年のうち半年しか住んでいないということだった。そう、リゾートエリアだからね。夏中居て秋も深まると誰も居なくなってしまうという場所だったのである。

第二の問題点は、店を開いてすぐ気づいたことだが、ドミノピザの謳い文句である「30分以内のお届け」がいつもできるとは考えにくい場所に店を開いてしまったことだったんだ。そう、大きい湖で住宅はその岸辺一帯に散らばっているので、車を使ってもカバーしきれない広がりがあった。

彼にしてみれば2点間の最短距離は直線である。そう数学的真理だね。そこで店主はボートでの配達を考えた。それぞれのお宅は湖に突き出た形でドックを持ってるからね。そうして彼はドミノピザのフランチャイズで初めてボートで配達する店になった。


次の問題はボートでの配達だと車での配達と違い乗り物が安定していない。そのため箱に入ったピザは片方に寄ってしまい、箱の内側で上下にピザのトッピングがくっついてしまう。これはドミノピザの広告内容とは違う状態での製品をお届けすることになって具合が悪い。

そこで 彼はどうしたか?

ドミノのエンジニアが寄り集まって、ほかにこれという理由がないにもかかわらずこの店専用の道具を作り上げてしまった。ボートで配達する際にピザを入れる箱、ピザを暖かいままにボートの傾きには無関係で運べる道具を作ってしまったというわけだ。きっとジャイロスコープを利用したものだったんだろう。

まだ終わらない。次の問題は夜の配達だ。普通の道を行けば住所も分かりやすいし、客先へ到着してもあて先の確認が出来るが、湖は暗いし住所が不確かだ。当然配達人はどこに居るのか分からなくなってしまって、ただただ湖を漂うことになる。そこで彼は岸辺の家々を訪ねてそれぞれのドックに番号を書かせてもらい、その数字を照らすランプを置かせてもらった。もちろん彼がその費用を支払った。

こうすれば注文の際にドック番号を一緒に連絡すればよいわけだ。

ただ単にピザを配達するためにこれだけの手間をかけ、道具の製作までしてしまった。結果どうなったか?このフランチャイジーは6ヶ月間でほかのフランチャイジーが1年かかって作る売上げの2/3を販売し、これは年間ベースに引き直せば残りの全フランチャイジー2999軒を上回る売上げになったというわけだ。そう、湖を使ってボートでピザを配達することだけで。

革新すること、発明し自ら手法を開拓すること、よろこんで積極的にこうしたチャレンジを行うことは成功する資質として非常に重要だと考えている。

来週にはもっとおもしろい話をお届けしよう。

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